◆昔噺五条の橋◆
参考場面 吉川英治「新・平家物語」より
無念無念と、加茂の河上から、比叡へ追われてついに非業の最期をとげてしまった、父や兄や一族たちの影が、宙に、ちらついてくる。青い宵やみの瀬に、啾啾と咽んでいるものも、水の声とは思えなかった。 「…父上。わたくしの父の君」 「わたくしは大きくなりました。もう十六です、父上の子です。御無念を忘れはしません。…今に、きっと」
32323番をお踏みになられた白乃一二三さまよりリクエストを賜りました「牛若丸」です。 牛若丸というと寺に預けられる前の小童を指すのでしょうが、思わず浮かんだ場面は吉川英治の新平家物語のこの場面でした。 物語ですと、この時、彼は姿を女に粧り高下駄に白拍子の雛妓の装いをしているのですが…(^^; すっかり忘れて水干になってました…