◆哀秋◆









おめでたい稔りの秋とは反対の“物悲しい秋”というイメージは、
戦国時代の楚の宋玉が自らの不遇を秋の悲愁に重ねて詠んだ
詩が始めとされております。
ちなみに宋玉はイケメンだったらしく、隣に住む女は塀越しに
3年間
彼を覗き続けたそうです…。

右上の詩 宋玉 『楚辞〜九弁』

悲哉,秋之為氣也,蕭瑟兮草木搖落而變衰,而慄兮若在遠行,
登山臨水送將歸。
(↑この原文を探すのにネットを3時間彷徨ったぜ…)

悲しいかな秋の気為(た)るや
蕭瑟(しょうしつ)として草木揺落して変衰す
而慄(りょうりつ)として遠行に在り
山に登り水に臨みて将に帰らんとするを送るが若(ごと)し

■訳■

何と悲しい秋の気よ、風はもの悲しく草や木は枯れ落ちる。
この寂しさはあたかも遠い旅路にて、山に登り河のほとりで
故郷に帰る友を送る時のようである。