*十二単おすべらかし編*


おすべらかしも結って頂きました。
「時代衣装おかむら」さんではこんな貴重なことも体験できます。




江戸時代末期に京都の町で流行していた「灯籠鬢(とうろうびん)」
という髪型をヒントにできたのが「大垂髪(おすべらかし)」です。


かんざしを飾る髷をつくる


頭のてっぺん辺りの毛をバカ殿の髷のようにおっ立てます。
おかむらのおかあさんは「ソフトクリーム」と呼んでました。

型をはめる



仙花紙という厚紙を黒く塗った
「つとうら」という型を髪の中に入れてます。
おかあさんは「コブラ」と呼んでました。

すべらかす


残りの髪を左右にパーツ分けして型に沿って髪をすべらかしていきます。
だから「おすべらかし」って言うのか〜などと実感。
おかあさん曰く「これほど楽な髪型はない」そうです(^_^;)
ただ型に沿って髪を梳くだけでいいんですもんね〜。


後ろにひとつに束ねる


ここで本来は2メートルもあるかもじ(付け髪)をつけます。
(←これは地毛100%)
身分に応じて髪の張りも大中小あり、前髪にかもじをつけたり後ろにつけるかもじを結ぶ紐にも結び方や数、色など身分によって違いがあります。
今回はこういう決まりは置いといて、5箇所、全部「おみくじ」で結って下さいました。


釵子(さいし)をかざす




雛人形がしてるような簪を頭のてっぺんに作った髷に紐でくくり付けていきます。

着付け




まず小袖を着ます。
後ろの方は「御髪係」(^_^;)
着付けに邪魔にならないように髪を持ってもらってます。






長袴を履く



小袖の上に長袴を履きます。
足より長いのでお引きずり状態です。
時代によっても変わりますが、よく「緋袴」と言われる巫女さんの朱色のような袴の色は既婚者用。未婚者は濃色(こきいろ)という紫に近いエンジのような色なんですね〜。色的に逆って気もしますが年取るとハデになるからでしょうかね(;^_^A


単衣(ひとえ)を着.る






小袖と同様に単衣も昔は下着だったものが時代を経るごとに表に出るものへと変化していきます。



五衣(いつつぎぬ)を順に重ねる





五衣と言ってもぴったり5枚羽織らなければいけないというわけではなく5枚前後のようです。十二単という名称も十二枚着るから、というのではなく10枚だったり2
0枚だったりしたようです。


五衣(いつつぎぬ)を順に重ねる



腰の紐は仮紐なので上に着物を羽織ると下から引っ張って抜きます。その繰り返し…。そうして裾や袖に襲(かさね)が出来ていきます。この襲(かさね)や単衣の組み合わせによって「紅梅の匂」とか「松重」などの名称で呼ばれ、季節によっていろいろなバリエーションがありました。その数は50種以上にも及ぴました。


表着(うわぎ)





一番上に着るので華やかな「二陪織物(ふたえおりもの)」と言われる織りの生地が使われてます。

唐衣(からぎぬ)を着る





最後に短い袖なしのチョッキみたいなの(^_^;)を着ます。正装の印なのだそうです。
高貴な人は他をどんなに略してもこれだけは着用したそうです。

裳(も)をつけて完成



後ろには長く引き摺る裳というものをつけます。腰で前に紐を廻して結びます。この紐で今まで重ねた着物全部を留める形になります。裳は成人の証だそうです。
平安時代は唐衣の上から着用していたようですが。
ちなみにこの髪型は垂髪(たれがみ)の方です。






空蝉の図


空蝉というより抜け殻って感じ…(^_^;)
着る時は大変でも脱ぐ時は一気に重ねて脱げます。
暗闇の中、男が後ろからガバっと来たらスカだったなんてマヌケな図ですね〜。




逢瀬が見つかり衣を置き去りにして慌てて逃げてるところでございます。 頭から裳を被ってます。






*閑話休題*

和式トイレの前の部分を「キンカクシ」と呼びますが、私はずっと「キン○○を隠す」ものだと思っていて、女だってトイレに行くのになんで女用の言い方は無いのか、男尊女卑だと怒ってました。
実は「キンカクシ」の語源は「キヌカクシ」。
清筥(しのはこ)・虎子(おおつぼ)と呼ばれる平安時代の女性用おまるの後方についていた板のことだそうです(゚゚;)
裾や髪(前に持ってきて帯に挟むという説もある)を汚さないようにその板に引っ掛けて用を足していたとか(^_^;)






 

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